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外人風ウェーブヘア、ブリーチしたらパーマはかからない?
最近人気の、外国人風のヘアカラー。
時間をかけてしっかり色を抜いて、またカラーを入れて。
明るめでも暗めでも、赤みを削ったり透明感を出すために、
脱色(ブリーチ)は必須プロセスとも言えます。
しばらくはきれいな髪色を楽しんでいても、慣れてくるとやっぱり少し飽きてくるもの。
スタイリング剤や方法を変えてみたり、
アイロンで流れを作ったり、ウェーブを作ってみたり…。
変化は確かに出るけど、そんなの毎日やってられない!
そんな時に思いつくのが、パーマですね。
でも、ちょっと待って。
意気込んで美容室に行ったものの、ブリーチヘアにパーマは無理って断られた!
なんて話、聞きませんか?
または実際オーダーして、納得いかないまま帰された経験、ないですか?
よく聞く「ブリーチしたらパーマ出来ない説」。
ブリーチしてパーマしたら髪が溶けるってほんと?
出来ないって言ってる時の美容師の本音は?
その辺の疑問に、ここでは少し詳しく迫ってみましょう。
前半はかなり専門的な話が続きますから、
結果だけ知りたい人は思いっっきりスクロールして
最後のまとめ部分だけ読むことをお勧めします。笑
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画像引用元:https://mens-hairstyle.jp/lipps_omotesando/h/3177.html
・ブリーチ毛へのパーマ、なぜかからない?
ブリーチパーマ相性悪い説を検証する前に、
まずは髪の毛の基本的な知識を見てみましょう。
髪は、大きく分けて三つの層から成っていて、
主にたんぱく質と、脂質や水分、それらをくっつける素材などで構成されています。
その構造はよく、巻きずしにたとえられますね。
髪の中心部にある核となる素材(メデュラ)がキュウリやマグロなどの具、
それを覆うようにぎっしり詰まっている素材(コルテックス)が酢飯、
それらの形を守るために表面を覆っているキューティクルがノリ、というイメージです。
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画像引用元:kao.com
ノリにたとえると、キューティクルが黒いのだとイメージしてしまいそうですが、
実はキューティクルは半透明で、
髪の黒さを決めているのはコルテックス、ご飯の部分なのです。
お赤飯のように黒い色のついたご飯が透明なノリで巻かれているようなイメージですね。
明るいヘアカラーをする場合、ノリの重なりの隙間から黒いご飯粒を取り出して、
明るい色のついた具を代わりに入れるという作業をしなければいけません。
希望の色が明るければ明るいほど、多くの黒いご飯を取り出さなければいけないので、
キューティクルを大きく開くことが必要になり、
結果それがキューティクルを傷つけたり、はがしてしまったりします。
ブリーチのようなかなり明るいカラーをすると、
そのはがれたキューティクルのところから埋めたはずの具がどんどんこぼれてしまい、
ギュッと詰まってキープしていた内部の形も崩れ、
スカスカののり巻きになってしまいます。
パーマがかかる仕組み
髪はケラチンというタンパク質でできていて、18種類のアミノ酸で構成されています。
その中でも髪に多く含まれているのがシスチンというアミノ酸で、
その結合を切り離したりくっつけたりできるという特性を持っています。
(先ほどののり巻きのたとえのご飯と具の部分に含まれています。)
パーマはこのシスチン結合の特性を利用していて、
1剤で髪のシスチン結合を切断して柔らかくし、形を変えやすくした後、
ロッドに巻き付けたり逆にまっすぐにしたりして形を変えます。
2剤は結合を結び直し、変えた形を固定させる働きをします。
例えるなら、固く繋がれた手がたくさんあり、それを一つ一つ外して、もとの手と違うところで繋ぎ直してもらう、という感じです。
健康な髪にはシスチンその他の内容物がしっかり詰まっていて、
この結合がしっかりしているので、
1剤でしっかり切断し、しっかり結び直すことが必要になります。
それができていない場合、かからない、また取れた、ということになります。
カラーやパーマなどで傷んだ髪というのは、
内部の素材が外に漏れ出してしまっている状態ですから、
当然このシスチンも流れてしまって、結合の力が弱くなっています。
強い力で結合を切る必要がなくなるのと同時に、形を保つ力も弱くなってしまいます。
繋ぐ手の数が少ないので、固定する強さも弱くなる、というイメージです。
この状態がいわゆる、狙い通りにパーマがかからない
(かかっても持たない、ダメージが進む)という毛髪の状態です。
ブリーチを繰り返した髪というのはまさにこの状態で、
髪にどのくらいの内容物が残っているか、
つまりどのくらい結合に強さがあるかを慎重に見極めて、
パーマをかけるかどうかを判断しなければいけません。
その判断と施術法を誤ると、
パーマがかからないどころか大きなダメージを与えることとなり、
最悪の場合、髪が溶けてしまってごっそり切れてしまった…!
なんて状況になりかねないのです。
美容師はそういう状況を見てきていて、その怖さを知っています。
お客様に素敵になって帰ってほしいというのが美容師の願いですから、
最悪のシナリオを避けるため、
ブリーチ毛にパーマをオーダーされた際、簡単には首を縦に振らないのです。
噂の「断毛」した髪。
ブリーチ×2+アイロンを毎日だそうで。。
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画像引用元:https://ameblo.jp/birakushin/entry-11872039170.html
ブリーチしていても「絶対にかけられない」わけではない
先述のとおり、
「かなり慎重になる必要があり、狙ったカールを出すのは難しい」のですが、
ブリーチをしたら絶対にかけられない、というわけではありません。
①ダメージレベル
②やりたいスタイル
③正しい薬剤、テクニックの選定
これらをクリアできれば、ブリーチ毛にパーマをかけられる可能性が上がります。
自分で判断せずに、信頼できる美容師さんと、じっくり相談しましょう。
①ダメージレベル
ブリーチをしたことがあっても、
痛みが顕著でない場合はパーマをかけられる可能性があります。
例えばかなりしっかりした髪質の人が、
透明感のあるカラーをするために一回だけ軽めのブリーチをした、という場合なら、
パーマをかけられる可能性は高いと言えます。
しかしこれには傷みが付きものです。
「かけられる」といっても、
「傷まずに」というのは不可能に近いということを忘れないでください。
美容師がダメージレベルを判断するとき、
見た感じ、触った感じ、そして今までのカラーやパーマの履歴を正確に見る必要があります。
初めてのお店や、通っている期間が短いお店ではその履歴の把握が難しいので、
ブリーチはいつ、何回やっているか、どんな色にしたのかなど、
しっかり思い出して伝えるようにしましょう。
また、縮毛矯正、デジタルパーマなど、強いお薬を使うメニューの経験がある場合、
見た目ではわからなくても、内部がかなり傷んでいるという場合もあるので、
必ず伝えるようにして下さい。
②やりたいスタイル
こちらも重要なポイントです。
ここまでで説明したように、ブリーチ毛は健康毛に比べ、内部物質が流出し、コシが弱くなっています。
重ねて、ダメージに配慮した薬剤、施術法を取らなければいけないことから、
根元からの弾力のあるカールや細かなカールはきれいに表現しにくいということが言えます。
③薬剤、技術の選定
どんな薬剤でどの技術を使ってパーマをかけるか、
どんなトリートメント剤で髪を補修するか…など、
毛質やスタイルと照らし合わせながら慎重に決めていきます。
ここは信頼できる美容師さんにお任せしましょう。
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画像引用元:https://beauty.hotpepper.jp/slnH000258909/style/L003294415.html
以上のプロセスを踏んで、ダメージするリスクや、100%思ったカールが出る保証はできないということをお客様にしっかり説明し、理解してもらい、
美容師側も、双方納得して初めて施術に入れます。
美容師もお客様と同じように、もしかしたらそれ以上に、
髪を痛ませたくないと思っていますからね。
ダメージがひどくてその日にかけられないと判断された場合でも、
それ以上ダメージが進まないようケアしながら少し伸ばして、
ダメージ部分を切ってしまってからかけるという手もあります。
①と②の素材の状態を正確に読み取り、ダメージを最小限にとどめながら形にすること。
それが美容師の腕の見せ所です。
ブリーチしていて今後パーマを考えているなら、
長期計画で美容師さんに相談することをおすすめします。
お互いの希望やできることのすりあわせをしっかりすることで、
納得いかないスタイルになった、思ったよりダメージしてしまった、
という事態を避けることができると思います。
・ダメージレベルによってはかけないほうがいい
何度も言いますが、ブリーチを一回以上したことがある髪というのは、
健康毛に比べて中身がスカスカの、かなりもろい状態になっています。
薬剤の強さに耐えられるだけの組織がほとんど残っていない状態の髪にパーマをかけると、
薬剤によって結合が切られ、
最悪の場合、薬剤をつけた瞬間にその部分から髪が溶けて切れてしまいます。
色んな技を駆使して「なんとかかけられる」「やってみる価値はある」という場合も多くありますが、
ブリーチを何度も繰り返していたり、
その他の強い薬剤を使うメニューをしたことがある場合、
ダメージレベルはかなり高いはずなので、かけない方が良い場合が多いでしょう。
どうしてもかけたい場合はゆるめでかけてセットで動きを強調
しっかりかけたくてもかからないのがブリーチ毛。
薬剤のパワーが強すぎて断毛、とならないためにも、
細心の注意を払って施術する必要があります。
トリートメントで必要な髪の成分を補い、髪への負担がなるべく少ない弱めの薬剤を使う、
または髪の状態を見ながら既存の薬剤のパワーを弱めて使うことになります。
どうしてもかけたい場合は、スタイリング法やケアの仕方もしっかり教わって、
なるべくダメージのないやり方でかけてもらいましょう。
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画像引用元:https://www.beauty-navi.com/mens/style/detail/40405
普通のパーマ?デジタルパーマ?かけるならどっち?
ではどんなパーマならかけられるのでしょうか?
パーマをかけようと思ったとき、選択肢として上がるのが
通常「パーマ」と呼ばれる通常のパーマ。
それからデジタルパーマも最近は定着してきていますね。
他に、エアウェーブなどのホット系パーマと呼ばれるものもありますが、
ここでは広く使われている上の2つに絞ってご紹介します。
通常のパーマ
メリット
- 根本までしっかり巻けるので、立ち上がりが作れる
- 濡れているときに一番カールが出るので、ウェットスタイリングとドライスタイリングとの違いを楽しめる
- 自然にゆるくなっていくので、スタイルチェンジがしやすい
デメリット
- ドライの状態だとダレやすい
- 細い髪、コシのない髪にはかかりにくい(かかってもダレる)
- かけたてのカール感は長持ちしない
デジタルパーマ
メリット
- アイロンで巻いたような弾力のあるカールが出せる
- 薬剤と熱の力でかけるので、カールが長持ちする
- 乾いた状態の時に一番カールが出るので、スタイリングが簡単
- 通常のパーマがかかりにくい人もかけることができる
デメリット
- 薬剤によるダメージに加えて熱変性というダメージがある
- 一度かけた部分に繰り返してかけることはできない(ダメージが大きい)
- 熱くなるため、根本からのパーマには不向き
どのパーマを選ぶかはダメージレベルなど髪の状態、
やりたいスタイル、スタイリング法次第です。
それぞれの状態に最適な方法を提案してもらうために、
自分で判断せずに、
通常のパーマ、デジタルパーマ、両方得意なお店で相談すると良いでしょう。
ヘアカタログにあるようなヘアスタイルはパーマではなくアイロンで巻いている?
雑誌やヘアカタログで見る動きのあるスタイル。
ツヤ感や毛束感も完璧で、かっこいいですよね。
これは個人的な経験からくる勝手な意見ですが、
「パーマスタイル」として打ち出している場合以外は、
ほぼどこかしらアイロンが入っていると思います。
パーマスタイルをうたっている場合も、ちょっとした動きの修正や艶出しのために
部分的にアイロンを入れることはあると思います。
自分でスタイリングするときも、
アイロンを使った方が出しやすい質感や方向性というのはあると思いますが、
なるべくブリーチとパーマをした髪にはアイロンは控えるようにして下さい。
さもないと本格的にボロボロになってしまいます。
カールをきれいに出すスタイリング剤とその方法は?
ではパーマをかけられたとして、
どうやってスタイリングすればブリーチ毛でもきれいな動きが出せるのでしょう?
通常のパーマ
濡れているときに一番カールが出るのが特徴のこちら。
ムース、オイル、ジェルなど、水分を多く含み、仕上がりも濡れたような質感になる
”ウェット系スタイリング剤”と呼ばれるものが良いでしょう。
髪を濡らし、しっかりタオルドライしたところに
少量ずつ、数回に分けて、まんべんなくつけます。
ついていないところがあると、乾いたときにそこだけカールが伸びてしまうので注意しましょう。
全体によく揉み込むようにし、理想のカール感になったところで完成。
ディフューザー(カールを出すための専用のアタッチメント)
があればドライヤーにセットして乾かしても良いですが、
そのまま自然乾燥で大丈夫です。
ポイントはスタイリング剤をしっかり揉み込むことと、
指を通さないこと、形が決まったら触らない事です。
また、ウェット系スタイリング剤は艶がでるので、
乾燥しがちなブリーチヘアを潤いのあるきれいな髪に見せてくれます。
デジタルパーマ
乾いたときに一番カールが出るこちら。
ポイントは乾かし方。
半乾きの状態になったら、毛束をくるくると指に巻き付けたり、ねじったり、
握りこんだところにドライヤーの温風を当てるようにして完全に乾かします。
ゆるい質感が好みの場合はねじりや握り方を弱くします。
このプロセスを踏むことで、より弾力のあるカールが作れます。
スタイリング剤は、ワックスなどあまりウェットになりすぎないものが良いですが、
ダメージで乾燥している場合が多いので、
ドライワックスやマットワックスなど、
髪を乾燥させてしまうようなスタイリング剤は避けた方が良いでしょう。
まとめ
- パーマなしでブリーチ一回だけならかけられる可能性が高い
- 「絶対無理」ではないがかけるメリットがない場合美容師はやりたがらない
- どうしてもやりたいなら長期計画でしっかり相談する
- 判断ポイントはダメージの度合い
- ハイトーンカラー、パーマや矯正の履歴を正確に伝えるのが成功のポイント
- かける前からケアを怠らない
- トリートメントはもちろんスタイリング剤も乾燥を防ぐものを使うべし
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